「入居前からあったキズなのに退去時に請求された」「壁の黒ずみは経年劣化なのに修繕費を請求された」——賃貸退去時に起きるトラブルの多くは、入居時の室内状態を記録していなかったことから生じる。写真や動画による記録は費用ゼロでできる最強のリスクヘッジだ。
入居時記録が重要な理由
賃貸の原状回復ガイドライン(国土交通省)では、入居前から存在していた傷・汚れの修繕費は借主が負担しないと定められている。しかし、証拠がなければ「借主がつけた」と主張されても反論が難しい。
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入居時チェックリストへのサインだけでは記録が不十分なことが多い。管理会社が用意するチェックリストは記載項目が大まかで、細かいキズや汚れが漏れることがある。自分で写真・動画を撮影して証拠を残すことが、退去時交渉の最大の武器になる。
鍵を受け取った直後、荷物を搬入する前が撮影の最適なタイミングだ。部屋が空の状態で撮影することで、傷や汚れがどこにあるかが明確に映せる。
撮影の基本ステップ
撮影後すぐにすること 撮影したファイルはその日中にクラウドストレージ(Google フォト・iCloud・Dropbox など)にバックアップする。スマホの機種変更・紛失・誤削除でデータが消えると証拠が失われる。また、写真のメタデータ(撮影日時・場所情報)を消さないように注意する。撮影日時のタイムスタンプが「入居日に撮影した」証拠になる。
以下の箇所は退去時にトラブルになりやすいため優先的に撮影する。
床・フローリング
壁・クロス(壁紙)
水回り
設備
入居時だけでなく、入居中にも定期的に記録を残す習慣を持つと退去時の備えになる。
記録を残すタイミング
管理会社への連絡メールに写真を添付して送ることで、「その時点での室内状態を管理会社が把握している」という記録が自動的に残る。
退去立会いの前後にも撮影する。退去立会いの直前(荷物撤去後・清掃後)に全室を撮影し、立会い終了後にも最終状態を記録する。立会い中に「この傷は入居前からあります」と主張する場面で、入居時の写真と比較して見せることが有効だ。
管理会社のチェックリストへの対応 立会い時に管理会社からチェックリストへのサインを求められる場合、「確認しました」の署名と「入居前からの傷を含む」という注記を加えることで、後から追加請求されるリスクを抑えられる。不明点があればその場でサインせず持ち帰って確認する権利もある。
記録は手間に感じるが、入居時の1〜2時間の撮影が退去時に数万円の節約につながることも多い。スマートフォンが常に手元にある現代では、費用ゼロで実践できる最も確実な退去トラブル防止策だ。
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