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ハザードマップで賃貸物件のリスクを確認する方法——洪水・土砂・津波・内水氾濫の見方と物件選びへの活かし方

2026-08-25

地球温暖化に伴い豪雨・洪水の頻度が増している今、賃貸物件を選ぶ際にハザードマップの確認は必須の作業になっています。国土交通省のハザードマップポータルの使い方から、各リスク区域の意味、物件選びへの具体的な活かし方まで分かりやすく解説します。

ハザードマップで賃貸物件のリスクを確認する方法——洪水・土砂・津波・内水氾濫の見方と物件選びへの活かし方
#ハザードマップ#洪水リスク#土砂災害#水害#防災#エリア選び
森

監修: 森 信幸エムアセッツ株式会社 代表取締役 / 宅地建物取引士(宮城県 第018212号)

目次

  1. 01ハザードマップとは——法的根拠と種類
  2. 02国土交通省「ハザードマップポータルサイト」の使い方
  3. 03各リスクの見方と賃貸選びへの活かし方
  4. 04ハザードマップだけでは見えない追加確認事項
  5. 05リスクのある物件を選ぶ場合の備え
  6. 06まとめ——内見前にハザードマップを確認する習慣を

ハザードマップとは——法的根拠と種類

ハザードマップとは、自然災害によって被害を受ける可能性のある区域・被害の程度・避難経路・避難場所などを地図上に示した資料です。水防法・土砂災害防止法などの法律に基づき、市区町村が作成・公開することが義務付けられています。

2020年の宅地建物取引業法改正により、不動産取引時のハザードマップを用いた水害リスク説明が義務化されました。つまり、賃貸契約時には不動産会社がハザードマップの内容を重要事項として説明する必要があり、借主も内容を確認する権利があります。

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ハザードマップには主に次の種類があります。

  • •洪水ハザードマップ: 河川の氾濫による浸水想定区域・浸水深を示す
  • •内水氾濫ハザードマップ: 下水道容量を超える雨水による市街地冠水リスクを示す
  • •土砂災害ハザードマップ: 崖崩れ・地すべり・土石流の危険区域を示す
  • •津波ハザードマップ: 沿岸部での津波浸水想定区域を示す
  • •液状化ハザードマップ: 地震時に地盤が液体化するリスクを示す

国土交通省「ハザードマップポータルサイト」の使い方

最も手軽に確認できるのが国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」(https://disaportal.gsi.go.jp/)です。

基本的な手順

  1. サイトにアクセスし「重ねるハザードマップ」を選択
  2. 地名・住所・郵便番号で物件のある場所を検索
  3. 左側のメニューで確認したいリスク種別(洪水・土砂・津波など)を選んで地図に重ねる
  4. 物件の位置がどの色区分に含まれるかを確認する

浸水深の色分けは自治体によって異なりますが、多くは薄い黄色(0.5m未満)から濃い紫・赤(5m以上)まで段階表示されています。1階床面が浸水する0.5〜1mの浸水リスクを最低限確認しましょう。

各自治体のハザードマップは市区町村のウェブサイトからも入手できます。紙版を窓口でもらえる自治体もあります。自治体版は地域固有の情報(避難場所・想定降水量)が詳細に記載されているため、より精緻な確認ができます。

各リスクの見方と賃貸選びへの活かし方

洪水リスク

河川近くや低地にある物件は浸水リスクが高い傾向があります。浸水深が「0.5〜1m未満」ゾーンにあれば1階の床上浸水が想定されます。家財道具の損害リスクがあるため、1階の物件では家財保険の「水災補償」が特に重要です。

「1〜3m」以上のゾーンは中層階でも被害が及ぶ範囲であり、建物自体の損傷・長期避難が想定されます。この区域での1〜2階居住は慎重な判断が必要です。

内水氾濫リスク

洪水ハザードマップには現れない「アンダーパス(地下道路)近く」「低地の住宅街」「古い下水道が未整備のエリア」での短時間豪雨による浸水リスクです。近年の都市型水害で注目度が高まっています。自治体によってはゲリラ豪雨シミュレーションによる内水氾濫マップを公開しているところもあります。

土砂災害リスク

山の斜面・崖地に隣接した物件で確認が必要です。「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」内は建築基準法で構造規制があるほか、宅建業者の重要事項説明での告知が義務です。この区域では物件そのものが崩壊・埋没する極めて深刻なリスクがあります。「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」は行政の避難指示の基準となる区域で、建築規制はないが避難のタイミングに注意が必要です。

津波リスク

海岸線から近い物件では津波浸水想定区域の確認が必要です。国土交通省の最大クラス(L2津波)を想定したハザードマップで浸水深を確認します。東日本大震災クラスの想定では内陸数kmまで浸水が到達したエリアもあるため、沿岸部の物件は高さ(地盤標高)も合わせて確認することをお勧めします。

ハザードマップだけでは見えない追加確認事項

ハザードマップはあくまで「想定」であり、実際の被害はより広がる可能性もあります。補完的に確認したい情報を以下に挙げます。

地盤の高さ(標高)

国土地理院の「地理院地図」では等高線・標高データを確認できます。標高が低い土地は雨水が流れ込みやすく、洪水・内水氾濫リスクが高まります。

過去の浸水履歴

市区町村の広報・防災マップには過去の浸水実績が記載されていることがあります。また「重ねるハザードマップ」の「浸水実績」レイヤーを表示すると過去に浸水した記録が確認できます。ハザードマップ外でも実際に浸水した場所があるため、実績確認は重要です。

建物の構造と階数

RC造(鉄筋コンクリート)の上層階は、浸水があっても建物自体の倒壊リスクが低く、垂直避難(上の階に移動)という選択肢を取れます。一方、木造の1階では浸水と同時に漂流物の衝突リスクもあります。

リスクのある物件を選ぶ場合の備え

ハザードマップ上のリスク区域にある物件が必ずしも「選ぶべきでない」わけではありません。家賃が割安だったり、通勤利便性が高かったりと、メリットと天秤にかけた上で選択するケースは多くあります。その際は以下の備えを徹底してください。

  • •水災補償付き家財保険への加入: 標準的な火災保険のみでは水害は補償対象外になることがある
  • •緊急時の避難経路と避難場所の事前確認: 入居後すぐに自治体の防災マップで最寄りの避難所を把握
  • •家財の保護対策: 1階の場合、貴重品・電化製品を低い棚に置かない習慣
  • •早め早めの避難行動: 気象情報・避難指示を待たず、警戒レベル3(高齢者等避難)が出た時点で動く

まとめ——内見前にハザードマップを確認する習慣を

ハザードマップの確認は物件探しの段階でできる「最も費用ゼロで効果の高いリスク対策」です。ウェブで数分確認するだけで、長期入居中の水害リスクを把握できます。

内見に行く前にポータルサイトで確認し、高リスクゾーンの物件は内見時に管理会社・仲介業者に追加情報(過去の浸水履歴・排水設備・建物の対策状況)を質問する材料として活用してください。住まいは長期間過ごす場所だからこそ、自然災害リスクを事前に知っておく価値は十分にあります。

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