IT重説(ITを活用した重要事項説明)とオンライン契約で賃貸借契約が遠隔で完結できる時代に。仕組みの理解から活用のポイント、注意点まで賃貸不動産のプロが解説します。
2022年の法改正で賃貸契約の電子化が解禁。クラウドサイン・IT重説の流れ、メリット・注意点、鍵の受け取りまでオンライン完結の全手順を解説。
賃貸申込時に提出する個人情報の取り扱いについて、2026年現在の法的ルールと借主の権利を解説。どこまで開示が必要か、不当な情報収集への対処法まで網羅。
日本語に不慣れな外国人・帰国子女・外国籍の方向けに、英語対応の不動産会社の探し方、多言語賃貸ポータルの活用方法、契約時の重要用語と注意点を解説します。
賃貸契約時に登場する「宅地建物取引士(宅建士)」とは何者で、何をしてくれる人なのか。重要事項説明の義務、資格の意味、入居者が知っておくべき権利まで、わかりやすく解説します。
賃貸物件の契約では、宅地建物取引業法(宅建業法)に基づき、宅地建物取引士(宅建士)が重要事項説明(重説)を行うことが義務付けられています。従来は対面での実施が必須でしたが、2017年の国土交通省指針改正(社会実験)を経て、2021年5月の宅建業法改正によりIT重説(ITを活用した重要事項説明)が全面解禁されました。
IT重説を活用すると、以下の場面で特に便利です。
IT重説は、以下の取引で利用可能です。
ただし、重要事項説明書の電子署名・書面交付については、宅建業法35条の重説書面の電磁的方法による提供(2022年5月施行)と連動しています。不動産会社によっては「IT重説は対応しているが、書面は郵送」というケースもあります。
国土交通省の定めるIT重説の要件は以下の通りです。
物件を申し込む際、または内見後に「IT重説を希望します」と不動産会社に伝えます。全ての不動産会社がIT重説に対応しているわけではないため、事前に確認が必要です。特に小規模な地場業者では対応していない場合があります。
IT重説実施日の前日までに、重要事項説明書が送付されます。電子交付(PDF)か郵送書面かは会社によって異なります。必ず前日までに内容を読み込み、疑問点をリストアップしておきましょう。当日の説明を効果的に活用するための準備として非常に重要です。
以下の機材・環境を用意します。
通信が不安定だと説明が中断されることがあり、最悪の場合は後日の対面での再実施が必要になります。スマートフォンのモバイル回線だけに依存しないことをお勧めします。
宅建士がビデオ会議に入室後、宅建士証の提示から始まります。その後、重要事項説明書に沿って説明が行われます。所要時間は一般的に30〜60分程度です。
質問は積極的にしましょう。対面と同様に質問する権利があります。聞き取れない箇所は「もう一度説明してください」と遠慮なく伝えて構いません。
IT重説終了後、賃貸借契約書・重要事項説明書への署名・捺印(または電子署名)を行います。書面を郵送する場合は先に受領してから署名し、返送するという流れが一般的です。電子契約サービス(GMOサイン・DocuSign等)を使う会社では、オンラインで完結することもあります。
重要事項説明書には多くの項目が記載されていますが、特に以下の点は入念に確認しましょう。
建物・設備に関する事項
契約条件に関する事項
費用に関する事項
IT重説の普及により、遠隔地からの部屋探しや多忙な方の賃貸契約が格段にスムーズになりました。法的要件と実施の流れを理解した上で準備をすれば、対面と変わらない質の説明を受けることができます。
遠方からの移住・転勤や、外国からの移住者が日本で初めて賃貸を借りる際にも、IT重説を提供する不動産会社を選ぶことで契約手続きの負担を大きく軽減できます。不動産会社に問い合わせる際は「IT重説に対応していますか?」と最初に確認することをお勧めします。
不動産ネットワーク
投資物件・賃貸住宅・テナント・運営会社をつなぐ不動産4サイト連携。
賃貸契約で「更新通知をうっかり忘れた」「大家から何も言われないまま契約期間が過ぎた」——そんなとき適用される「法定更新」の仕組みを解説。借主にとって有利な面と注意すべき落とし穴を網羅します。