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夏の真っ盛りや真冬にエアコンが故障すると生活に直結する。しかし「誰が修理費用を払うのか」は意外と複雑だ。判断には以下2つの区分が決定的に重要になる。
この2つが分かれば、誰に連絡し誰が費用を払うかは明確になる。
賃貸借契約書の「設備」欄に記載されているエアコンのこと。貸主の所有物で、入居中は借主が使用する権利を持つが、所有権は貸主にある。修繕義務は民法606条に基づき貸主にあり、故障時の修理費用は貸主負担が原則だ。
前入居者が残していったエアコンを、現入居者が「使用してもよいが故障時は貸主負担なし」という条件で使用しているもの。契約書の「残置物」欄または「設備外」として記載される。故障しても貸主に修理義務はなく、撤去・修理は借主が自費で行う。
まず賃貸借契約書を確認し、エアコンが「設備」「残置物」「付帯設備」のどこに記載されているかをチェックする。記載がない場合や曖昧な場合は管理会社に書面で確認する。これは故障時の費用負担に直結する重要事項だ。
管理会社に「エアコンが故障した」と連絡すると、以下の対応が始まる。
借主が修理業者を選定・手配する必要がある。費用は全額借主負担だ。修理よりも買い替えの方が安く済むことも多いため(10年以上使用されたエアコンの修理は5万円超になりがち)、撤去・新品取付を検討する。
これらは民法606条の「賃貸物の使用及び収益に必要な修繕」として貸主負担となる。
国土交通省「原状回復ガイドライン」では「借主の善管注意義務違反による損傷」は借主負担としている。
フィルター掃除を怠ったことによる故障
「定期的なフィルター清掃は借主の通常管理範囲」とされ、年1回以上の清掃を怠ったことによる故障は借主負担になる可能性が高い。一方で、毎月清掃していた証拠(写真等)があれば貸主負担を主張できる。
入居前から異音がしていた
入居時点検表に「エアコン異音あり」と記録していれば貸主負担がほぼ確実になる。記録がないと借主が立証責任を負うため、入居時の確認が決定的に重要だ。
エアコンが「U」「F」「H」などのアルファベットと数字を表示する場合は、以下を試す。
| エラーコード(一例) | 想定原因 | 自己対処 |
|---|---|---|
| U0 / E0 | リモコン信号異常 | 電池交換・本体リセット |
| F0 / 04 | 室外機通信エラー | ブレーカー再投入 |
| H0 / 01 | 室内機センサー異常 | 修理依頼 |
| F8 / 06 | ガス漏れ・冷媒不足 | 修理依頼 |
詳細はメーカーサイト(ダイキン・パナソニック・三菱・日立)でエラーコード一覧を確認する。
8月の猛暑日にエアコンが故障し、管理会社の修理業者手配が1週間以上かかった——このような場合、借主が代替手段(扇風機・冷風機)を自費で調達することがある。代替手段費用の負担を巡って争いになることもあるため、まず管理会社に「いつまでに修理可能か」を書面で確認し、応急処置費用の負担を交渉する。
契約書に「残置物」表記がなく、入居時に「エアコン付き」と説明されたものの、故障時に「あれは残置物だから自費」と言われた——契約書に記載がない場合は設備として扱うのが原則だ。書面(メール・契約書)で「設備」と認識できる根拠があれば貸主負担を主張できる。
10年以上フィルター清掃をせず、室内機内部にカビが大量発生して故障した——この場合は借主の善管注意義務違反として借主負担になる可能性が高い。月1回程度のフィルター清掃を習慣化することで予防できる。
| 故障内容 | 修理費用相場 |
|---|---|
| ガス漏れ補充 | 1.5〜3万円 |
| コンプレッサー交換 | 5〜10万円 |
| 基板交換 | 2〜5万円 |
| ファンモーター交換 | 1〜3万円 |
| センサー交換 | 1〜2万円 |
| クリーニング(カビ・汚れ) | 1.5〜3万円 |
10年以上使用されたエアコンは修理より買い替え(新品6〜15万円+取付2〜3万円)が経済的だ。設備エアコンの場合は貸主の判断で修理/交換が決まるが、明らかに買い替え時期であれば買い替えを要請してよい。買い替えではなく増設を検討している場合は、賃貸でのエアコン設置・増設の許可の取り方も参考にしてほしい。
エアコン故障時の対応は「設備か残置物か」「故障原因が経年劣化か過失か」の2軸で判断する。設備エアコンの経年劣化故障は貸主負担、残置物または借主過失の故障は借主負担が原則だ。入居時にエアコンの区分を契約書で確認し、入居時点検表に動作状況を記録しておくことで、後日の費用負担争いを防げる。故障時は写真記録と書面連絡を徹底し、管理会社経由でプロセスを進めることがトラブル予防の鉄則だ。
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