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契約・手続き

IT重説・オンライン重要事項説明の流れと活用法——対面なしで賃貸契約を完結させる実践ガイド

2026-08-24

2021年の法改正でフルリモート化が解禁されたIT重説。ZoomやTeamsを使って自宅から重要事項説明を受け、電子署名で契約を完結させる方法を、手順・注意点・必要機材まで詳しく解説します。

IT重説・オンライン重要事項説明の流れと活用法——対面なしで賃貸契約を完結させる実践ガイド
#IT重説#オンライン契約#重要事項説明#電子契約#賃貸手続き
森

監修: 森 信幸エムアセッツ株式会社 代表取締役 / 宅地建物取引士(宮城県 第018212号)

目次

  1. 01IT重説とは何か——誕生の経緯と法的根拠
  2. 02IT重説に必要な環境と事前準備
  3. 03IT重説の当日の流れ
  4. 04電子契約との組み合わせで完全オンライン完結
  5. 05IT重説を選ぶ際の注意点と落とし穴
  6. 06まとめ——IT重説でできること・できないこと

IT重説とは何か——誕生の経緯と法的根拠

IT重説(ITを活用した重要事項説明)とは、宅地建物取引士が対面でなくビデオ会議システムを通じて重要事項説明を行う制度です。従来の賃貸契約では、宅建士が借主と対面し、書面を交付しながら口頭で説明することが宅地建物取引業法上義務付けられていました。

2017年に賃貸住宅のIT重説が試行導入され、2021年3月には宅建業法施行規則が改正されて本格解禁。さらに2022年5月には重要事項説明書・契約書の電子交付・電子署名も認められ、現在では物件探しから契約締結まで完全にオンラインで完結できる環境が整っています。

IT重説を実施できるのは宅地建物取引業者(不動産会社)のみ。個人大家との直接契約や、仲介なしの物件ではIT重説は利用できない点に注意してください。

IT重説に必要な環境と事前準備

IT重説を受けるには、借主側でいくつかの準備が必要です。

必要な機材・環境

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  • •デバイス: パソコン・スマートフォン・タブレットのいずれか。カメラとマイク(内蔵・外付け問わず)が必須
  • •通信環境: 安定したWi-Fiまたは有線LAN。モバイルデータ通信でも利用可能だが、途切れるリスクがある
  • •書類閲覧手段: 電子ファイル(PDF)で事前送付される重要事項説明書を確認できるデバイスまたは印刷物
  • •本人確認書類: 運転免許証・マイナンバーカードなど写真付き身分証明書(画面に提示)

不動産会社が指定するビデオ会議ツール(Zoom・Microsoft Teams・Google Meetなど)を事前にインストールし、接続テストを済ませておくと安心です。

当日の説明は本番前に「映像と音声が双方向で正常に送受信できること」を必ず確認します。これは法定要件であり、確認できなければIT重説は開始できません。

IT重説の当日の流れ

1. 事前に重要事項説明書を確認

法令上、IT重説の実施前に重要事項説明書(以下「重説」)を借主が受け取り、十分に確認できる時間を確保しなければなりません。紙郵送・電子ファイルのいずれかで事前に送付されるため、当日までに一通り目を通しておきましょう。

疑問点はメモしておくと、当日の質疑がスムーズになります。

2. 接続確認

開始5〜10分前に接続し、映像・音声・画面共有が正常に動作するか確認します。宅建士も同様の確認を行い、双方が問題なければ説明開始。

3. 宅建士証の提示

宅建士はIT重説開始時に宅地建物取引士証を画面に提示する義務があります。氏名・登録番号・有効期限を必ず確認してください。

4. 重要事項の説明

物件の状況・設備・契約条件・特約・禁止事項・契約解除に関する事項など、宅建士が順を追って口頭で説明します。対面の場合と内容は同一で、説明時間も変わりません。わからない点はその場で質問してください。

5. 電子署名または書面への署名

説明終了後、借主の「承諾」を示す署名を行います。電子契約サービス(GMOサイン・クラウドサイン・DocuSignなど)が使われるケースが増えており、スマートフォンのブラウザから手続きが完了します。紙での手続きが残る場合は、書類を郵送で受け取り署名・押印して返送します。

電子契約との組み合わせで完全オンライン完結

IT重説は「説明」部分のオンライン化ですが、契約書の交付・署名にも電子化が広がっています。

電子契約の主なメリット

  • •書類の郵送・来店が不要になり、物理的な移動コストがゼロ
  • •印紙税が不要(電子文書は印紙税法の課税対象外)
  • •書類の紛失・劣化リスクがなく、クラウドで長期保管可能
  • •署名のタイムスタンプで真正性が証明される

注意点

電子契約に対応しているかどうかは不動産会社によって異なります。対応を確認したい場合は物件問い合わせの段階で「電子契約は可能ですか?」と確認するのが早道です。

また、電子署名には本人確認(eKYC)が必要な場合があります。マイナンバーカードや運転免許証の画像アップロードを求められるケースが多いため、有効期限切れに注意してください。

IT重説を選ぶ際の注意点と落とし穴

利便性が高いIT重説ですが、いくつかの注意点も知っておく必要があります。

通信障害による中断リスク

説明の途中で回線が切断した場合、原則として最初からやり直しになります。Wi-Fiが不安定な環境では、有線LANへの切り替えやモバイルホットスポットの準備が有効です。

書類の受け取り確認

電子ファイルで重説を受け取った場合でも、「確かに受け取った」という意思表示が必要です。確認メールへの返信や電子署名ツール内での承諾操作など、各社の手順に従ってください。

後日問題が生じた場合の証拠

IT重説の説明内容で後から疑義が生じたとき、録画・録音があれば有力な証拠になります。不動産会社に録画の可否を確認し、許可が得られれば手元でも記録しておくと安心です。

内見との組み合わせ

IT重説だけでは物件の実態(においや採光、設備の細部)を確認できません。契約前には必ず現地内見を行うか、少なくとも内見動画・360度写真を入手することを強くお勧めします。完全非対面契約は手続き上可能でも、入居後トラブルのリスクが高まる点に留意してください。

まとめ——IT重説でできること・できないこと

IT重説は対面が難しい遠方への引越しや多忙なスケジュールの方にとって大きな利便性をもたらします。法的手続きとしての効力は対面と変わりません。

一方で、物件の実物確認はオンラインで代替できない部分があります。「手続きはオンライン、内見は現地」という組み合わせが現時点では最も合理的な選択といえます。

IT重説に対応しているかどうかは物件を紹介している不動産会社に直接確認してください。対応が増えてきているとはいえ、まだ全社が導入しているわけではないため、希望する場合は早めに意向を伝えることが大切です。

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