賃貸物件に住んでいると、床の傷や汚れが気になることがあります。「フロアコーティングを施せばきれいに保てるのでは」と考える方も増えていますが、賃貸においては大家・管理会社の許可やの取り扱いについて慎重に確認する必要があります。本記事では、フロアコーティングの種類と特徴から施工の可否、費用相場、退去時のまで詳しく解説します。
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フロアコーティングとは、フローリングや塩化ビニル系の床材の表面に特殊な塗膜を形成し、傷・汚れ・水分から守る加工のことです。住宅展示場や新築マンションで施工されることが多く、近年は賃貸住まいの方からも関心が高まっています。
コーティングには大きく分けてガラスコーティング・UVコーティング・シリコンコーティング・ウレタンコーティングの4種類があります。
ガラスコーティングは硬度が高く透明感があり傷に強く、耐用年数は20〜30年と長期間効果が続きます。UVコーティングは紫外線照射で硬化し光沢感が強く、10〜20年の耐用年数があります。シリコンコーティングは滑らかな仕上がりで比較的安価、ウレタンコーティングは弾力性があり子どもや高齢者向けで、両者とも5〜10年程度の耐用年数です。
ガラスコーティングやUVコーティングは耐久性が高い反面、施工費用が高めです。シリコンやウレタンは費用を抑えやすいですが、耐用年数が短い傾向があります。
賃貸物件の床は大家(貸主)の所有物です。そのため、入居者が勝手にコーティング施工を行うことは、原則として契約違反になる可能性があります。
まず管理会社または大家に書面で相談します。口頭ではなく、施工内容・使用材料・業者名を明記した書面で依頼することで記録が残ります。次に施工業者の見積書・仕様書を添付してどのような材料で施工するか具体的に示すと許可が下りやすくなります。
退去時の扱いも事前に明確にしておく必要があります。「退去時にコーティングを除去するか、そのまま残置するか」を事前に合意し書面化しましょう。最終的に大家から書面での承諾をもらうことで、退去時のトラブルを防ぐことができます。
一方、許可が下りにくいのは短期契約や退去後に元に戻すコストが読みにくい場合です。また「コーティング済み」を売りにしている物件では、既存コーティングを変更することを嫌がる大家もいます。
フロアコーティングの費用は床面積・材料・業者によって大きく異なります。賃貸の一般的なワンルーム〜2LDK程度を想定した参考値として、ガラスコーティングは1LDK(約40m²)で8万〜15万円、UVコーティングは5万〜10万円、シリコンコーティングは3万〜6万円、ウレタンコーティングは3万〜5万円程度が目安です。
施工範囲が広いほど単価が下がる傾向があります。また業者によって品質に差があるため、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
フロアコーティングを施工した場合、退去時の扱いが最大の問題になります。国土交通省のガイドラインでは「入居者が施工した設備・加工は、特約がない限り原状回復の対象になり得る」とされています。
コーティングを除去するには専門の剥離作業が必要で、施工より高額になるケースもあります。ガラスコーティングの場合は硬化しているため剥離が困難で、床材ごと交換になる事例もあります。
トラブルを防ぐには3つのルールを守ることが重要です。まず事前に書面で大家の承諾を得る(「施工可」「退去時は現状のまま(除去不要)」という合意を文書化する)、次に施工前後の写真を撮る(既存の床の状態を記録しておくことで傷・変色の責任の所在を明確にできる)、そして入居期間が長い場合にのみ施工を検討する(短期1〜2年の居住予定なら費用対効果が低くリスクが高い)ことです。
大家の許可が得られない場合や費用をかけたくない場合の代替手段として、ウッドカーペット・フロアマット敷設が有効です。傷を防ぎながら原状回復も簡単ですが、カーペット下のカビ・湿気に注意が必要です。
フロアシート(貼るタイプ)はDIY向けの床シートで剥がせるものが多く、賃貸向きです。また家具の脚にフェルトパッドを貼るだけでも、こすり傷の主な原因を減らすことができ、最もコストが低い選択肢です。
賃貸でのフロアコーティングは、大家・管理会社の事前承諾と退去時の取り決めが最重要です。許可なしに施工すると退去時に予想外の費用を請求されるリスクがあります。施工を検討する場合は書面での合意取得を徹底し、長期居住かつ原状回復要件が明確な状況で進めることをおすすめします。
不明な点は入居前・入居中を問わず管理会社や大家に早めに相談し、双方が納得できる形を整えましょう。
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