日本の賃貸物件に住みながらペットを飼いたいと考えている外国人の方にとって、「ペット可」の物件を見つけることは決して簡単ではありません。日本の賃貸市場ではペットの飼育を禁止する物件が多数を占めており、物件探しから契約、入居後の生活まで、知っておくべきルールや慣習が数多くあります。この記事では、ペット可物件の探し方、種類の違い、契約時の注意点、入居後のまでを詳しく解説します。
日本でペット可の賃貸物件を見つけるためのポイント・注意点・ペット飼育のルールを外国人向けにわかりやすく解説します。

監修: 森 信幸エムアセッツ株式会社 代表取締役 / 宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
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日本の賃貸住宅では、ペット不可の物件が全体の約7割以上を占めるといわれています。その背景には、いくつかの構造的な理由があります。
まず挙げられるのが、臭いや引っかき傷による原状回復コストの増加です。退去時に壁紙の全面張り替えや床材の補修が必要になるケースが多く、大家側のリスクが高くなります。次に騒音トラブルです。犬の吠え声が原因で近隣住民からクレームが入り、管理が難しくなることを嫌うオーナーは少なくありません。さらに次の入居者のアレルギーへの配慮も理由のひとつです。ペットの毛やフケはアレルギーの原因となり、退去後の清掃に費用と手間がかかります。
ただし近年は、ペット飼育世帯の増加やペット共生型物件への需要拡大を背景に、ペット可物件の供給も徐々に増えています。特に都市部では専用設備を備えたペット共生型マンションも登場しており、以前と比べて選択肢は着実に広がっています。
一口に「ペット可」といっても、物件の種類によって条件や設備は大きく異なります。主に次の3つのタイプがあります。
ペット可物件は、ペットの飼育を許可しているものの、特別な設備は備えていない標準的な物件です。犬・猫・小動物(ハムスターや小鳥など)の飼育可能範囲は物件によって異なり、「小型犬1頭まで」「猫のみ可」といった制限が設けられているケースが多く見られます。
ペット共生型物件は、ペットと人が快適に暮らせるよう設計・設備を整えた物件です。脱臭機能付き換気扇、ペット用足洗い場、ドッグラン、ペット用エントランスといった専用設備を備えていることがあります。入居者がペット飼育者に限られることも多く、近隣との摩擦が少ないのが特徴です。家賃はやや高めですが、ペットと暮らすうえでのストレスが少ない環境が整っています。
ペット相談可物件は、大家や管理会社に相談することで、個別にペット飼育が認められる可能性がある物件です。「犬猫は難しいが小動物ならOK」というケースも多く、交渉しだいで条件が変わることがあります。外国人入居者の場合、不動産会社に間に入ってもらい、ていねいに状況を説明することで許可が下りることもあります。
ペット可物件に入居する際は、以下の点を契約書・重要事項説明書で必ず確認してください。賃貸借契約書のチェックポイントもあわせて参照しましょう。口頭の説明だけでなく書面で確認しておくことが、後々のトラブル防止になります。
飼育できるペットの種類・サイズ・頭数は、物件ごとに細かく規定されていることがあります。「犬猫可」でも「小型犬(10kg以下)1頭まで」と限定されているケースがほとんどです。複数頭の飼育を希望する場合は、事前に許可を取る必要があります。
敷金(デポジット)の追加を求められる場合もあります。ペット可物件では通常より1〜2ヶ月分高い敷金が設定されていることが多く、退去時の原状回復費用に充てられます。物件によっては、ペット専用のクリーニング費用が退去時に必ず発生する旨が特約に明記されていることもあるため、事前の確認が欠かせません。
共用部での飼育マナーも確認しておきましょう。エレベーター・廊下・エントランスでのリードの使用義務や、ペットを抱きかかえて移動するルールが定められている場合があります。
ペット登録と管理会社への届け出が必要な物件も多くあります。飼育するペットの種類・品種・年齢・ワクチン接種状況などを事前に報告し、書面での承認を得てから飼育を始めるのが一般的です。契約後に無断でペットを増やすと、契約違反として退去を求められるリスクもあります。
日本の集合住宅でペットを飼育する際は、近隣住民との良好な関係を保つために、次のマナーを守ることが大切です。
鳴き声・臭いの管理は最も重要なポイントです。犬の無駄吠えや猫の臭いは、近隣トラブルにつながりやすい問題です。防音マットの設置、早期のしつけ、こまめな換気・清掃を心がけましょう。特に夜間の鳴き声は大きなトラブルになりやすいため、入居直後から対策を取ることをおすすめします。騒音トラブルの防止と対処法も参考にしてください。
共用スペースのマナーとして、廊下・エレベーター・エントランスでは必ずリードをつけるか、抱いて移動するのが基本です。他の入居者がペットアレルギーを持っている可能性も考え、エレベーター内でのふれあいは控えるのが無難です。
退去時の原状回復では、ペットによる傷や臭いの除去が求められます。入居時に室内の現状を写真に撮っておくと、ペットに起因する損傷がどの程度かを明確にでき、退去時のトラブル防止になります。特約に定められている場合は、ペット専用のハウスクリーニング費用が発生することも覚悟しておきましょう。
外国人の方がペット可物件を効率よく探すには、いくつかのアプローチがあります。
多言語対応の不動産会社・賃貸ポータルの活用が最も確実です。英語や中国語などに対応した不動産会社であれば、ペット可条件の詳細をスムーズに確認・交渉できます。検索時には「ペット可」「ペット相談」などの条件で絞り込み、希望するペットの種類を最初から明示して問い合わせることが重要です。
内見時の積極的な確認も欠かせません。物件の防音性、臭いの残り具合、ペット用設備の有無などを、実際に現地で確かめましょう。マンションの場合、管理規約にペット飼育に関する取り決めがあることもあるため、規約の確認も忘れずに行ってください。
早めに動き出すことも大切です。ペット可物件は需要が高く、空きが出にくい傾向にあります。希望エリアが決まったら早い段階で不動産会社に条件を伝え、新着物件が出た際に優先的に案内してもらえる関係を作っておくと有利です。
日本でペットと一緒に暮らすには、物件探しの段階から正確な情報収集と早めの行動が欠かせません。契約内容をしっかり理解し、周囲のルールを守ることで、ペットとともに快適で安心できる日本生活を実現してください。
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