日本で新しい部屋に引っ越したとき、電気・ガス・水道(光熱費)の開通手続きは最初に取り組むべき重要な作業のひとつです。母国では自動的に使えることも多いインフラも、日本では自分で各会社に申し込まなければ使えない場合がほとんどです。また、日本の光熱費は料金体系が複雑で、使い方によっては毎月の出費が大きく変わります。この記事では、電気・ガス・水道の開通手続きの方法から、料金の仕組み、日常生活での節約術まで、外国人向けにわかりやすく解説します。
電気の開通手続き
電気の開通は、電力会社のウェブサイト、電話、またはアプリから手続きできます。申込時に必要な情報は、引っ越し先の住所、入居日、お客様番号(部屋のブレーカー付近に貼られているシールや、管理会社から渡される書類に記載)、口座振替またはクレジットカードの情報です。
2016年の電力自由化以降、電力会社を自由に選べるようになりました。従来の大手電力会社(東北電力、東京電力など)以外にも、多数の新電力会社がサービスを提供しています。新電力会社の中には、スマートフォンのプランとセットにすることで料金が安くなるもの、再生可能エネルギーを選べるものなど、様々な特徴があります。日本語に不安がある方は、まず大手電力会社に申し込むのが手続き上も安心です。電力会社の切り替えは後からでも簡単にできます。
電気のブレーカーは部屋の玄関付近や廊下に設置されていることが多いです。引っ越し直後にブレーカーが落ちている(OFF状態)場合は、自分でONにすれば電気が使えるようになるケースもあります。それでも電気がつかない場合は、電力会社に問い合わせましょう。
ガスの開通手続き
ガスの開通は電気とは異なり、ガス会社のスタッフが実際に部屋を訪問してメーター開栓作業を行う必要があります。このため、ガス会社への申し込みと開栓予約が必要で、立会いが必須です。引っ越し日が決まったら、できるだけ早めに予約を入れましょう。繁忙期(3〜4月)は予約が混み合い、開栓まで1週間以上かかることもあります。
日本のガスには「都市ガス」と「プロパンガス(LPガス)」の2種類があります。都市ガスは東京ガス、東邦ガス、大阪ガスなど地域の大手ガス会社が供給し、料金が比較的安定しています。プロパンガスは都市ガスが整備されていない地域や古い建物で使われることが多く、都市ガスに比べて料金が高い傾向があります。自分の部屋がどちらのガスを使っているかは、入居前に不動産会社や管理会社に確認しておきましょう。
開栓当日は、ガスコンロ、給湯器、浴室乾燥機など、ガスを使う機器が正常に動作するかスタッフが確認してくれます。使い方の説明もしてもらえますので、わからないことは積極的に聞きましょう。
水道の開通手続き
水道は自治体(市区町村)が管理しており、引っ越し先の市区町村の水道局に開栓を申し込みます。多くの場合、ウェブサイトや電話で手続きが可能で、ガスとは異なり立会いが不要なケースも多いです。申込時には、引っ越し先の住所と入居日を伝えるだけで手続きが完了します。
前の居住者が使っていた場合、水は最初から出ることもありますが、水道局への使用開始届(名義変更)は必ず行いましょう。届出をしないと、前の居住者の名義のまま請求が来たり、水道が突然止まったりするトラブルが発生することがあります。
光熱費の料金体系
日本の電気・ガスの料金は「基本料金+使用量に応じた従量料金」という構造になっています。基本料金は使用量に関係なく毎月定額でかかる固定費用で、契約アンペア数(電気の場合)や基本使用量(ガスの場合)によって異なります。一人暮らしであれば、電気は30〜40アンペアで契約するのが一般的です。
水道料金も「基本料金+従量料金」の構造ですが、水道は自治体が管理するため料金は地域によって大きく異なります。一般的に、一人暮らしの月額水道代は1,500〜3,000円程度が目安です。
一人暮らしの場合の光熱費の目安(仙台・東北地方の参考値)は、電気が月額3,000〜8,000円(夏の冷房・冬の暖房で変動)、ガスが月額2,000〜6,000円(給湯・暖房の使用量による)、水道が隔月請求で3,000〜6,000円程度です。
光熱費の節約術
電気の契約アンペアを見直す
契約アンペアが大きいほど基本料金が高くなります。一人暮らしで家電の使用量が少ない場合は、30アンペア(または20アンペア)への変更を検討しましょう。ただし、アンペアが低すぎるとブレーカーが頻繁に落ちることがあるため、生活スタイルに合わせて設定してください。
電力会社・ガス会社のプランを比較する
スマートフォン会社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天など)と提携している電力会社のプランは、スマートフォン料金とまとめることで割引になることがあります。電気とガスをセットで契約するとお得になるプランもあります。
省エネ家電を使う
エアコンは最も電力を消費する家電のひとつです。フィルターを定期的に清掃することで消費電力を約10〜15%削減できます。冷蔵庫は壁から離して設置し、詰め込みすぎないことが節電につながります。
給湯器の温度設定を見直す
給湯器の設定温度を必要以上に高くしていると、ガス代が余分にかかります。使用頻度が低い時間帯には設定温度を下げるか、追い炊き機能を使いすぎないよう注意しましょう。
節水を心がける
シャワーを短くする、食器を洗う際に水を出しっぱなしにしない、トイレの大小を使い分けるなど、日常的な節水を心がけることで水道代を抑えられます。
引っ越し時・退去時の手続き
退去時には、電気・ガス・水道の使用停止手続きを忘れずに行いましょう。使用停止の連絡は、退去日の1〜2週間前までに各会社へ行うのが理想的です。特にガスは立会いが必要な場合もありますので、早めの手配が必要です。引っ越し先でも同様の手続きが必要なため、新旧両方の住所の手続きを並行して進めましょう。
電気・ガス・水道の開通は、快適な生活の基盤です。引っ越しが決まったらできるだけ早めに手続きを開始し、入居当日から不便なく生活できるよう準備しておきましょう。