2024年以降、建材・人件費・物価の上昇を背景に、賃貸オーナーが家賃値上げを通知するケースが全国的に増加している。突然の「賃料改定のお知らせ」に動揺する入居者も多いが、家賃の値上げには法律上の手続きと借主の権利が明確に定められている。本記事では、家賃値上げ通知を受けた場合の法的根拠・対処手順・交渉術を体系的に解説する。
家賃値上げは貸主の一方的権利か
結論から言うと、貸主は入居者の同意なしに家賃を一方的に引き上げることはできない。
借地借家法第32条は「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」と定めている。
つまり貸主は「値上げを請求できる権利」はあるが、。借主が値上げを拒否した場合、従来の家賃を供託することで居住権を守りながら法律的な争いを継続できる。
