賃貸住宅における孤独死の現状
国内の単身高齢世帯は年々増加しており、65歳以上の一人暮らし世帯は2020年時点で約672万世帯にのぼります(総務省「国勢調査」より、近年さらに増加)。こうした背景から、賃貸住宅内で入居者が誰にも看取られずに亡くなる「孤独死」は、もはや珍しくない事態となっています。
孤独死が発生すると、貸主(オーナー)・相続人・管理会社のいずれもが、精神的負担だけでなく金銭的・法的な問題に直面します。「自分には関係ない」と思いがちなテーマですが、賃貸を借りる側にとっても、万が一に備えて知っておくべき知識です。
残置物処理・原状回復費用は誰が負担する?
孤独死が発覚した際にまず問題になるのが、室内に残された家財道具や生活用品、いわゆる「残置物」の処理です。
相続人がいる場合
入居者の相続人が法定相続人として残置物の所有権を引き継ぐため、原則として相続人が撤去・処分を行います。ただし相続人が相続放棄をした場合、所有権は宙に浮いてしまいます。貸主は家庭裁判所に「相続財産清算人」の選任を申立てることで対応できますが、手続きに数ヶ月かかるケースもあります。
