賃貸物件を探すとき、「構造」の欄に「鉄骨造(ALC)」や「軽鉄骨造」と書かれているのを見たことがある方は多いでしょう。木造でも鉄筋コンクリート(RC)造でもない、この「ALC造」とはどのような建物なのか、防音や断熱の面でどんな特性があるのか、詳しく解説します。
ALCパネルとは何か
ALCとは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で、日本語では「軽量気泡コンクリート」と呼ばれます。高温高圧の蒸気で養生したコンクリート系の材料で、内部に気泡を多く含んでいるため、一般的なコンクリートの約4分の1の重さでありながら一定の強度と断熱性を持つのが特徴です。
鉄骨ALC造は、鉄骨の骨格(フレーム)にALCパネルを外壁材・床材・屋根材として張り付けた構造です。2〜4階建ての集合住宅によく使われており、大和ハウス工業の「D-room」シリーズや積水ハウスの「シャーメゾン」に代表される大手ハウスメーカー系の賃貸アパート・マンションに多く採用されています。
防音性能の実態
鉄骨ALC造の防音性能は、木造よりは優れているが、RC造(鉄筋コンクリート造)には及ばない、というのが正直なところです。
ALCパネルは内部に気泡があるため、音を多少吸収する効果があります。しかし、パネルの厚みは一般的に10cm前後であり、RC造の壁(15〜20cm以上のコンクリートが連続している)と比べると質量が大幅に少なくなります。音の遮断性能は壁の質量に大きく依存するため、鉄骨ALC造は「木造よりはマシ、でもRC造には劣る」という中間的な位置づけになります。
特に注意が必要なのは床の防音性能です。ALC造の床パネルはコンクリートスラブではなく軽量のパネル材で構成されていることが多く、上階からの足音や物を落とした際の衝撃音(重量衝撃音)が伝わりやすい傾向があります。話し声などの空気を伝わる音(空気伝搬音)はALCパネルがある程度吸収しますが、ドシンという足音(固体伝搬音)は苦手です。



